なぜ、リーダーの言う事は絶対なの?by娘
なぜ苦しむのか。葛藤の原因を考えよう。
どうやら娘は嫌なことを嫌だと伝えたら、リーダーの権威を振りかざして強制されたそう。
大人の世界でも、理不尽だと思う指示はあります。そんなときモヤッとしてしまう。その原因をわたしなりに考えてみました。
原因は2つ
- 1 その命令が、合理的に考えて「違う」と思うから
- 2 上司の命令は、職務上必ず守らなければならないと思うから
この2つが互いに矛盾を起こしている状態が、苦しみを生み出しています。
そもそも、1の「合理的に考えて違う」と感じたら、「それは違うと思います」と言えて、崩れないような関係性が理想ですよね。というか、上司と意見の交換ができない状態になっているのは、仕事全体からみてもマイナス。なぜなら、良い仕事というのは、得てしてコミュニケーションが取れているチームから生まれるものだからです。強権的に「俺の言う事は絶対だ」という上司やリーダーについては、上司側に問題があります。
それでは、2についてはどうでしょうか。
確かに仕事上、リーダーシップを発揮しやすいよう、また物事がスムーズに進むように「上司の言う事を聞くように。」との取り決めをしている職場もあるし、その意味では合理性があります。
しかし、それを過大に感じて、「上司に反論してはならない」「上司の意見は正しい」と思ってしまうと、1と同じような状況になってしまいます。これは、わたしの思い込みが問題ですから、わたしの考え方を変えれば解決できますね。
学校での出来事に見る日本的上下関係
では、なぜ、そのように考えるようになったのでしょうか。ヒントは昨日、子供が学校での出来事を教えてくれたことにありました。
先生「これからグループワークをします。5人ずつのグループを作って、1人リーダーを決めてください」
A「じゃあわたしがリーダーをします」
そして、ワークを進めていくなかで
A「Bさん、ハサミでここに切り込みを入れてくれる?」
B「ハサミを使うの苦手だから、やりたくないなぁ」
A「わたしがリーダーなんだから、リーダーの言う事をきかなきゃいけないよ!」
B「・・・(そんな言い方しなくても)(泣)」
リーダーを決めることには、合理的があるのでしょう。しかし、リーダーの役割や然るべきリーダーの振る舞いということを教えないで、リーダーを決めてしまうと、このようなことが起こりがちです。
子供にとって、リーダー=立場が上=両親又は先生 ということがよくあります。これまでに経験したリーダーが少ないので、ダイレクトに反映されてしまいます。もしかしたら、先生や親も「親やリーダー、上司の言う事は聞くべきだ」という呪縛にさらされているのかもしれませんね。
歴史を例に、リーダーについて考察する
木下藤吉郎の場合
木下藤吉郎は、農民出身でのちに豊臣秀吉と名前を変えて、天下を統一した戦国時代NO1の出世頭です。藤吉郎は昔、顔が猿に似ていたため奉公していた武家で見世物のように扱われたうえに、嫌われて首になりました。あまりにひどいと感じた藤吉郎は、その奉公していた武家を辞する(退職)とき、こう言いました。
「こたびは貴方が私を首にするのではない。私が貴方を首にするのだ。」
形式上は、確かに首にされたのでしょう。しかし、藤吉郎の心の中では、「部下も上司を選ぶ権利がある」という思いが確かにあったのではないでしょうか。
藤堂高虎の場合
藤堂高虎は、戦国時代の武将で、若い時主君を頻繁に変えました。その様子をなじる人もあり、「武士たるもの一つの主家に使えるべきだ」という意見もあるなかで、次のような発言をしました。
「武士たるもの、七度主君を変えねば真も武士とは言えぬ」
現在は転職を経験する人も多くなってきていますが、少し前までは転職するごとに再就職が厳しくなる時代でした。藤堂高虎も、乱世の中、いったいどの主君についていけばよいのか、身を立てるために上司を選び、主君を選んでいました。
徳川家康の場合
徳川家康は、戦国時代を終わらせて200年の太平の世の基礎を築いた徳川幕府の初代将軍です。最近でもNHK大河ドラマ「どうする家康」のモデルになりました。家康は、幼少のころ今川家に人質として送られていましたが、その後独立し、三河武士をまとめて強固な家臣団を作り上げました。実は、家康の親や祖父は、家臣の裏切りに会い殺されています。また、下剋上が横行した戦国時代において、家来(部下)の重要性を誰よりも深く学びました。そんな家康が残した言葉です。
「水よく船を浮かべ、水よく船を覆す」
水は部下を指しているとも考えられ、船は自身を指しているとすれば、いかに部下に対して真摯な態度で望むべきかが、よくわかります。上司やリーダーは、部下の気持ちを、よくよく考えなければなりませんね。
まとめ
上司やリーダーが、理不尽な指示をしているときは、まずコミュニケーションがとれるかを確認しましょう。単なる行き違いや上司の考えを理解すれば、意外と理にかなっている指示だったり誤解だったりするかもしれません。その時にハードルになるのが、自分の封建的な又は軍隊的な思い込みです。「上司の命令は絶対である」と思っていると、上司に質問したり意見を言う事ができなくなります。その上、自分が上司になったとき、同じように部下に接してしまうかもしれません。
古い時代でも、意外と上司に口出ししたり、見切りをつけている場合もありますし、そもそもリーダーや上司の役割や振る舞いが学校で教わっていないことが問題なのかもしれません。人によると思いますが、自分の中の「上司は絶対像」を打ち破って、意見を伝えてみたら、意外と解決してしまうこともあるかもしれません。(最初から話す余地が無い場合は無理しないでね)
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